中東系航空会社が羽田で冷遇される理由

      2016/06/19

以前の記事で、羽田空港発のアメリカ行きの発着枠をめぐる”ごたごた”を書いた。この話ではデルタ航空が文句があったようだ。デルタ航空が日本からいなくなっちゃう?~日米航空交渉合意~

そしてもう一つ、羽田空港の就航を巡って文句を言いたい航空会社があると思う。それが中東系の航空会社だ。

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中東系の航空会社とは?

中東地域の航空会社はいろいろあるが、世界各国にネットワークを広げ続けている航空会社は3社、エミレーツ航空、カタール航空、そしてターキッシュエアラインズ(旧名:トルコ航空)だ。エミレーツ航空とカタール航空はそれぞれ世界約140都市に、ターキッシュエアラインズは世界約280都市に就航している。

これらの航空会社は、出身国の空港をハブ空港として、全世界からその空港に旅客を集め、そこで乗り継がせ、また全世界に旅客を散らばらせるという戦略で、旅客数を伸ばしている。ちなみに各社のハブ空港は、エミレーツはドバイ空港、カタールはドーハ空港、そしてターキッシュはイスタンブール空港だ。(正式な空港名は省略)

欧州系航空会社を潰しにかかってるのでは?

本来と言っては語弊があるが、大抵の場合他国の航空会社がどこかの国に乗り入れる場合は、その国のメインの空港のみに乗り入れる。そしてその後の地方空港へのネットワークは、提携先の航空会社の飛行機が行うのが一般的だ。

しかし中東の航空会社は違う。ターキッシュエアラインズはイタリアに10都市就航している。またエミレーツ航空はドイツに4都市、イタリアに4都市、イギリスに5都市とターキッシュエアラインズに比べると都市数では少なく感じるが、これらの都市にB777-300やA380などといった乗客400人級の大型航空機を続々と投入している。ハブ空港から各地方空港に小さな飛行機で運んでいるその国の航空会社にしたらたまったものではない。

そんな流れを危惧したルフトハンザドイツ航空は、エミレーツ航空がベルリンに就航しようとしたとき、政府に「さすがに多すぎるだろ!?」って受け入れしないよう要請したなんていう話があった。同じようにカナダでは、エミレーツ航空の増便や新規就航開設を認めない決定がされている。

羽田のいい時間は与えられない

前トピックの最後に「ルフトハンザがドイツ政府へ要請した内容」を書いたが、これと同じようなことが日本でも起こっているのではと推測する。

羽田空港への中東航空会社の就航状況を見てみると、(2016年4月のある日のスケジュールを参照)

  • エミレーツ航空     :週7便 深夜0時30分発
  • カタール航空      :週7便 深夜0時30分発
  • ターキッシュエアラインズ:未就航

このようにかなり深夜の悪い時間帯に飛んでいるか、未就航かの状況だ。いくら発着枠が足りないとはいえ、欧州系航空会社が昼間の時間帯を獲得しているのに、不公平のように感じる。

2014年に行われた日本とトルコの航空交渉で、羽田空港からのトルコへの便を深夜早朝時間帯に限り認めることとなった。しかしターキッシュエアラインズは、そんな時間帯であれば集客は厳しいと感じているのか、未だに就航はしていない。

これは日系の航空会社や欧州系の航空会社が少なからず日本政府に働きかけているのではないだろうかと推測する。安さを武器にしている中東系航空会社が羽田空港の昼間時間帯に入って来れば、欧州系航空会社は日本から撤退を検討するだろう。

欧州系航空会社を守るべき

目先の便利さを考えれば、そんな不公平を是正して、中東系航空会社にもいい時間帯を割り当てた方がいいように思うが、それが原因でヨーロッパへの直行便を運航する欧州系航空会社が撤退してしまうのは本末転倒。

ある程度の不公平は今後も継続すべきのようだ。

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