スペインとの直行便が復活、イベリア航空の勝算

      2017/05/21

スペインの航空会社、イベリア航空が17年ぶりに日本とスペインを結ぶ直行便を運航すると発表した。具体的な運航路線は、マドリードー成田線で、成田発は月曜・水曜・土曜に運航する。運航開始は2016年10月18日、機材はA330-200で座席数はビジネスクラス19席とエコノミークラス269席の計288席だ。

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一度は撤退した路線

イベリア航空の日本での歴史は深く、就航開始は1986年のこと。それから12年6カ月運航を継続していたが、1998年に撤退した。この時なぜ撤退したのかの理由は正直はっきりしていないのだが、推測するのは以下のような理由。

ビジネス客が少なく収益が見込めない

スペインは日本人のヨーロッパ旅行先として、フランス・ドイツ・イタリアに次ぐ第4位※なのだ。しかし欠点はビジネスクラス利用客が圧倒的に少なく、レジャー客がメインの客層になってしまうこと。航空会社はエコノミークラスからは収益をほとんどあげることができず、基本前の方の席から収益を得ている。

※日本旅行業協会データ参照 https://www.jata-net.or.jp/data/stats/2015bis/05.html

敵が多い日本路線に興味がなくなった

スペインの航空会社は唯一でも、日本に就航していたヨーロッパの航空会社は10社を超えていた。ヨーロッパ内の航空路線はどの航空会社も充実していたため、日本―欧州間の競争は激化していたことは言うまでもない。

ちなみにイベリア航空は現在アジアのどこにも就航していない。(今回の日本線就航以降に上海線にも就航するようだが。)

ではなぜ今就航することにした?

正直、スペインに渡航する客のほとんどはレジャー客という状況は変わっておらず、競争が激化していることも変わりない。ではなぜ今就航することにしたのか。

コストが減った

機材の性能向上や燃油コストが最近急激に下がったことで、ビジネス客が少なくとも採算がとれるようになったのだろう。

インバウンドも増えている

インバウンド、つまりヨーロッパからの訪日客が増えたことで、円高・円安時のリスクを軽減することができる。(円安のときは日本からの客の収益が弱く、円高の時は逆)



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IAGが好調

2010年、イベリア航空はブリティッシュエアウェイズと経営統合し、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)を発足させた。一時期は金融危機などの影響を受け、リストラを加速させたこともあったが、現在は当グループの経営は好調と聞く。

ワンワールドのネットワークを活かせる

イベリア航空が加盟する航空連合「ワンワールド」は日本からは日本航空(JAL)が参加している。つまり日本就航により、JALの国内線ネットワークなどを活用することができ、日本の地方都市からの集客も可能となる。

なぜバルセロナじゃないの?

実数で言えば、日本人の目的地別の客数はマドリッドよりもバルセロナの方が多い。ではなぜイベリア航空はマドリッドを選んだのか、それは乗り継ぎ客の確保だろう。

ルフトハンザドイツ航空の日本からの客の7割はフランクフルト以外と昔聞いたことがあるが、ヨーロッパに行く日本人は直行便以遠を目的地としているケースが多い。そのため、バルセロナよりも自社ネットワークの強いマドリッドに路線を持ってきたのは頷ける。

こうしたヨーロッパからの新しい路線ができるという好ましい状況に水を差すように、ブリュッセルでまた爆弾テロが起こった。日本人はヨーロッパのどこかで起こった事件を見て「今ヨーロッパは全部危ない」という判断を下す。このような流れで、就航取りやめなんていう事態にならないか、心配でならない。

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