セブン&アイの成長戦略、オムニチャネルとは何か?

      2016/04/02

店舗閉鎖を決断したセブン&アイはそんなにやばい?

2016年3月8日、インターネットニュースに「そごう・西武2店舗閉鎖を決定」や「ヨーカ堂20店舗閉鎖を前倒し」などセブン&アイ ホールディングス関連の後ろ向きな見出しがあった。経済に疎くて申し訳ないが、これらの見出しだけ見ると、「え、そんなにやばかったの?」と正直思ってしまった。自分がイトーヨーカドーで買い物するときは、いつもレジが行列だし、そんなネガティブなニュースが踊るようには到底思えなかった。

これらの決断は不採算店舗の閉鎖とそれに伴う経営資源の集中という、今後の成長のための「早めの決断」であり、今すぐやばいというものではないようだ。そして今後は「オムニチャネル」を成長戦略の柱にしていく。

ところで、最近のこの報道で当たり前のように使われている「オムニチャネル」ってなんだ??ちょっと調べてみると、当たり前だけど考えることを拒否していた考え方が、そのオムニチャネルにはある。

オムニチャネルって何?

オムニとは「あらゆる」とか「すべての」とかいう意味がある。チャネルは「流通チャネル」や「販売チャネル」というように客への販売形態・流通形態を現している。

つまりオムニチャネルとは、その企業が持つ「あらゆる」「すべての」販売・流通チャネルを利用して客に商品・サービスを販売する戦略をいう。

普通の店舗での販売は、客が店舗に出向いて、そこにあるレジでお金を払って、商品を持って帰るという流れだ。

普通のネット通販の販売は、客がパソコンやスマホで通販サイト内の商品を閲覧、クレジットカードや代金引換などを利用して支払い、配送業者が自宅に商品を配送する。

しかしちょっと前からこの「普通の」に少しイレギュラーかつMIX的な形も登場している。

・ネットで注文して、コンビニで受け取る

・実際の店舗で試着などして、実際の商品は配送される

もちろんこれらだけで「オムニチャネル」とは言えず、まだ「マルチチャネル」というレベルだが、こうした「普通」ではない販売形態への対応が「オムニチャネル」への入り口のようだ。

「ネット通販は敵」という考え方は古い!?

よくこうした小売企業が経営不振に陥ると、マスコミはこぞって「ネット通販におされて、販売が伸び悩みました」と報じる。私自身も、実店舗の小売りはネット通販には勝てないと勝手に思っていた。しかし時代はもう一歩先にいっていたようだ。そこにオムニチャネルの強みがある。セブン&アイホールディングスが進めるのは、圧倒的な顧客接触機会の数の多さを利用したオムニチャネルの実現だ。

セブン&アイホールディングスは、スーパーマーケット事業のセブンイレブン、百貨店事業のそごう・西武、そしてコンビニ事業のセブン・イレブン(あとファミレスのデニーズ)を傘下に持つ企業グループだ。つまり小売りの販売機会の多さは、他の小売り企業に比べ群を抜く。その強みを生かした戦略を自社ショッピングサイト「オムニ7」で展開している。

「ネット通販は敵という考え方は古い」というのは、ネットで販売した方が良いもの(在庫を1店舗で持つのは難しいもの)、実店舗で販売した方がよいもの(高級品など自分の目でみることを客が望んでいるもの)、それらを組み合わせたらベストなものなど、消費者行動というのは1通りではないという考え方から来ている。

  • 生鮮食品は自分の目で見て買いたいけど、持って帰るのは重い」っていうなんともわがままな声にこたえた、「食品のプロに選んでもらって、夕食前に配達」なんていうサービスは、とてつもなくすごいこと。)
  • ネット通販で見た商品の実物を見るために店舗に来るという、ネットを宣伝の場所ととらえる戦略は、まさに販売機会を多く持てる同社だからできること。

オムニ7の今後の課題は?

このように、当たり前だけどしてこなかった「新しい考え方」で展開する「オムニ7」。今後の課題は、やはり知名度だろう。まだまだネット通販というものにアレルギー反応を示す消費者は多い。しかしコンビニを利用した返品制度のように、実店舗さながらのサービスを保ちながら、ネット通販特有の便利さを享受できるよう当社は努力を重ねている。その利点を消費者にどれだけ周知できるかが今後の成長の鍵となるのではないだろうか。

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