フィンランドがユーロ離脱を検討、何があった?

      2016/06/19

いきなりだがフィンランドは、

  • 北欧4か国のうちの1国
  • シンクタンクの格付けでは常に最高の「AAA」で財政的に裕福
  • 世界幸福度ランキングでも常にトップ10に入る
  • ムーミン、食パン「Pasco」のCMでお馴染みのかもめ食堂、サンタクロース村など、観光資源も豊富

という、云わば良い事づくめの国だ。そのフィンランドがユーロから離脱するのではという報道が流れている。何があったのだろうか?前回の記事を書きながら、ユーロについて少し知識を得たところで探ってみた。

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実は健全でなかった財政状態

フィンランドを代表する企業と言えばNOKIA(ノキア)、日本ではあまり馴染みがないけれども、世界的に言えばガラケーの代表格はNOKIA製だった。海外旅行中に聞く着信音は大抵NOKIAっていう人も多いのではないか。しかしスマホが一般的になった昨今、そのNOKIAの経営が傾き始めた。そしてフィンランド国内の失業率も9.2%まで上昇(2015年12月)。(ギリシャやスペインのように20%を超えている国からすると低いが、日本は3.2%(2016年1月)であり、それに比べるとなかなか”ヤバい”状況なのがわかる。)

実は前述の「格付けAAA]というのは、ちょっと前のことで、昨今の経済状況を鑑み、格下げするシンクタンクが増えてきている。

他国を助けている場合じゃない

2015年にドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領などの顔をよくテレビで見たが、それはユーロの加盟国でお荷物のギリシャを支援するか否かを、ユーロ加盟国の雄であるドイツやフランスが話し合っていたから。そして実はフィンランドもその話し合いの中心におり、実際フィンランドもギリシャ支援の国内議会承認までには紆余曲折あったようだ。

自分の国の負債も多いのに、なんでギリシャを助けなきゃいけないの?当然の論理である

ユーロ導入していなかったら

ユーロ導入前のフィンランドの通貨は「マルカ」。一概にどうだったかということは言えないが、恐らくユーロを導入したことで、自国の通貨価値は高くなっただろう。一見良い事のように思えるが、輸出企業においては良い事だとはいえない。(日本でも円高になれば製造業の利益が減るというように。)これによって、フィンランドの産業は大打撃を受けたと言われている。

他国支援に巻き込まれるし、自国の利益も減るし、ユーロ導入なんて良い事ないじゃないか。そこが今回のニュースの根源にあると思われる。

もちろん、ユーロという強力かつ安定の通貨を導入することで、インフレ率上昇を抑えられたり、他国とのビジネスが容易に行えるなどの利点はある。でも、それにしても、ね~?というのがフィンランドの理屈なのだろう。

本当に離脱する?

3月11日の報道によると、ユーロ離脱の議会での審議を求める署名が5万人以上集まったため、数週間以内に議会審議が行われるようだ。

私はそう簡単にユーロ離脱なんてしないし、できないと勝手に思う。ユーロ加盟国にとっても、フィンランドが離脱することでユーロの価値・信用が下落することは少なからずも避けられず、それは見逃せないことであろう。

そしてフィンランド側にとっても打撃は予想される。ユーロ加盟国の銀行はECB(欧州中央銀行)の監督下にある。監督下にあるということは、支援なども行われているということ。この後ろ盾がなくなるということは、国民の銀行に対する不安が起こり、預金を下ろすために国民が銀行へ殺到し、混乱がおきるだろう。

現実に起こるとは考えづらい。しかしイギリスやスウェーデン、デンマークはユーロを導入せず、自国通貨へのプライドを維持しつつ、自国のフレキシブルな金融政策を行うことができている。それらの国を羨ましがる向きは否めず、数週間後の審議を見守りたい。

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