JALがあまりに可哀想 羽田の米国路線配分決まる

      2016/06/19

以前のブログで、羽田の発着枠に関する日米航空交渉を取り上げた。(デルタ航空が日本からいなくなっちゃう?~日米航空交渉合意~)2016年2月に行われた交渉で、羽田と米国間を結ぶ航空機の発着枠を昼間帯(6時から23時)に10枠、深夜帯(23時から6時)に2枠それぞれ設けることが合意された。この合計12枠は日本の航空会社で6枠、アメリカの航空会社で6枠となる。2016年4月下旬、この日本側の6枠の配分が決まった。

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全日空「4」日本航空「2」の傾斜配分

羽田空港発の路線はビジネス利用が多いため、ビジネスクラス、またはエコノミークラスでも価格の高い航空券で利用されることが多い「ドル箱路線」「プラチナ路線」と呼ばれる。米国路線に限らず羽田の国際線の発着枠は、1枠あたり売上約100億円、営業利益約10億円を稼ぎ出すと言われる。本来こうした路線の発着枠配分はある程度公平に行われるもの。しかし国土交通省は、昼間枠についてはANAが「3」のJALが「2」、そして深夜枠1枠もANAが取ることになった。

就航先は?

ANA/JALともにまだ正式に発表はしていない。ちなみに現在の羽田の路線は、ANAはロサンゼルスとホノルル、JALはサンフランシスコとホノルル。JALは2枠のみなので現行のままと思われるが、ANAは増えた2枠でニューヨーク便やシカゴ便を検討しているとみられる。

ちなみに米国航空会社の就航予定は?

  • JALと提携するワンワールドのアメリカン航空:ロサンゼルス・ダラス
  • ANAと提携するスターアライアンスのユナイテッド航空:サンフランシスコ・ニューアーク(ニューヨーク)
  • 日本に提携先のないスカイチームのデルタ航空:ロサンゼルス・ミネアポリス・アトランタ
  • アライアンスには属していないがANAとマイル提携するハワイアン航空:ホノルル2便・コナ

なぜ傾斜配分がされたのか?

8.10ペーパー

多くの人の記憶にまだ新しいJALの経営破綻。2012年に経営破たんしたJALには企業再生法が適用され、再建には公的資金が投入された。公的資金投入へのペナルティーとして国土交通省航空局(JCAB)は「2016年度までの日本航空による新規投資や新規路線開設を監視する」と発表、これが8.10ペーパーである。

2013年10月に発表された2014年夏スケジュールにおける羽田空港国際線発着枠の配分時にも、ANAが「11」にJALが「5」とかなりの傾斜配分が設けられ、この時の国交省の発表は「2016年までの中期経営計画に明示されたものを除き、抑制的に判断する」とした。

8.10ペーパー、そして2014年夏スケジュール配分時の声明を根拠とし、今回の傾斜配分がされたと言われている。

全日空のロビー活動の成果

ANAは国交省系の政治家に対し、様々な形でロビー活動を行っていたと思われる。経営破たん後のJALが、ある空港から国際線に新規路線を設けようとしたときも、ある政治家を使って相当な圧力をかけてきたという話を聞いたことがある。しかもその空港は羽田と違い、ANAがほとんど国際線を飛ばしていない空港なのにだ。過去には悲願だった国際線への参入のため賄賂事件まで起こしたANA。現在は非常にうまく政治家を利用する術を身につけたようだ。

不公平という世論の声を避けたい政府

JALはいち民間企業、にも関わらず公的資金で助けられた。一方で自身の経営努力で頑張っているANA。傾斜配分をすることで、公的資金を受けた企業への”ペナルティー”を示し、世論の不満を避けたい考えがあるのだろう。

JALがあまりにかわいそうでは?

確かに公的資金を使った支援で立ち直ったJAL、自社努力で頑張るANA、ここに不公平があったことは事実だし、ANAは偉いと思う。しかし2014年からの羽田の国際化の際に行われた超傾斜配分11:5。もうここで禊は終わったのではないだろうか。

JALの社員は給料が大幅にカットされ、多数の社員が去った。それでも残った社員の努力でここまで頑張ってきた。特に百億円単位で経営を左右する羽田の発着枠、滑走路増設などで羽田の発着枠がさらに増えない限り数年・数十年と埋まらない差をつけることは、果たして得策だったのだろうか?

また利用者にも不利益となる可能性がある。私は正直ANAマイラーなので個人的にANA便が増えることは歓迎なのだが、JALマイラー(特にビジネス客に多いと思われる)にとっては不利益な決定だったのではないか。

もうそこまでいじめなくても。。。今回の配分決定を聞いて、私はこう思ったのだった。

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